パチンコありきの4年間

私は田舎育ちです。遊ぶ場所と言えばある程度限られていました。服は時折行く都会やネットで購入し、それ以外の楽しみはパチンコでした。
平日は仕事に行き、休みの日はほぼパチンコ店で過ごす事もありました。地元の友人のたまり場でもあり、何かあればそこで待ち合わせをしていました。
約束をしていなくても友人に会ったりする事もあったので一種の社交場みたいな感覚。
彼氏が出来た時もデートはずっとパチンコと言う事もありました。そんな生活を高校を卒業して4年ほど続けましたが、都会に出たいと言う事もあり、会社が倒産したのを機に引っ越しをしました。その時、彼氏がいたらまた違った人生だったと思います。
人生の転機は都会から

都会に出て、就職先が決まっても友人はいません。まだ職場のスタッフとも慣れていなかったので、やはり休みの日はパチンコで過ごしました。
場所は違えど、店の中は安定の音、臭い、振動、光があり、全く友人のいない知らない地での寂しさを紛らわしてくれました。
新しい職場での生活に慣れても、一週間に一度はパチンコに行きました。まだ心のどこかで満足に心を開いていない私がいたのだと思います。一週間で一度のパチンコの時間が精神を安定させてくれました。
都会に引っ越してきてから感じた事は、あまりパチンコに行かない人が多いと言う事です。皆ショッピングやスポーツ等をしている事を知りました。余暇の過ごし方はひとそぞれだなと感じました。
職場と恋愛とパチンコとの関係
一人の男性スタッフはかなりパチンコが好きみたいで、話が合いました。どの台がいいとか何が好きとか話す事が出来ました。仕事の後に一緒に打ちに行く事もありました。
彼氏も出来たりしましたが、仕事と彼氏、パチンコの生活を送っていました。
その当時付き合った彼氏は皆、パチンコに興味はなくむしろ空気も悪いしと怪訝な顔をしている人が多かったです。煙草を吸わない人も多かったです。
なのでデートの前にパチンコに行っていると直ぐにばれました。
パチンコを止めろとは言われませんでしたが、煙草は臭いから止めろと数名に言われました。あまり理解できなかったので、デートの前にはパチンコに行かず、煙草も吸わない様にしていました。
すっかり独身生活も板に付き、後輩も出来ました。後輩の中には私と同じで地方から出てきた人もいました。友人もいない環境で自分を重ねた部分もあり、パチンコを勧めました。何を感じていたかは知りませんが、付いてくる後輩もいました。仕事が終わって一緒に打って帰る事もありました。
そんな生活をして10年目の時に運命の人と出会いました。一つ前の男性は既婚者だった事も知らずに付き合っており、FBで知ったショックからようやく立ち直りかけた時期に彼がバイトに来たのです。本職は違う所で正社員をしていました。
その当時、彼は婚約しており、結婚に向けて資金を貯めるためにバイトを始めたのだと言っていました。私の彼への好意は日に日に強くなっていきました。しかし、これから既婚者になる人に夢を見ても意味がありません。
何度も忘れようとしましたが、実は彼も私に好意を持ってくれていたのです。
私達は思いを共通にしましたが、彼が結婚相手と別れるまで一線を超えずに付き合いました。彼の立場はもう結婚を取りやめる状況ではなかったと言う事で一旦結婚し、半年後に離婚しました。それから正式に付き合う事になったのです。
彼のためにパチンコをやめると決意!
そのまだ宙ぶらりんな半年の時期に彼はたばことパチンコをする女が嫌いだと私にぴしゃりと言いました。そこで禁煙、禁パチンコをしました。
社会人になってから十数年、ほぼ毎週欠かさず行っていたパチンコと毎日吸っていたたばこを彼と一緒になりたいが為に必死に我慢しました。彼の婚姻生活を聞かされたりした時もかなり気持ちは揺らぎましたが、彼との生活を夢見て、一切を止めました。
半年の我慢生活を送り、彼は私と一緒になってくれました。もうその頃には心は安定しパチンコもたばこもなくても生きていけると思うほどでした。それから数年間、私はたばこもパチンコも行かずに生活しています。
もし、彼が何も言わなかったら今も休みの日には一人でパチンコに行っていたかもしれません。